2019/09/25

コンクリート製品の工場見学


皆さんは、コンクリート製品の作り方を知っていますか?

大きな橋も擁壁も、コンクリート製品はメーカーの工場で作られることが良くあります。工事の期間を短縮したり、品質を確保するために、最近ではできるだけ工場でコンクリート製品を作ることが多くなってきました。実際、どのようにコンクリート製品を作っているのか、工場を視察してきましたのでレポートします。

5月24日の晴れた日に、奈良県から岐阜県に出向きました。昭和コンクリート工業株式会社揖斐川工場におじゃまして、工場見学をさせていただきました。
揖斐川工場では、橋梁のPC桁やボックスカルバート、L型擁壁、側溝といったプレキャスト製品を工場で作っています。その製作過程や製造設備を間近で見ることができました。
普段の土木設計業務では、パソコンの中や印刷した図面の中で小さく映ったプレキャスト製品しか見ていませんでしたが、実際に実物を目にすると、かなりの迫力がありました。現場を知る・実物を見るという経験は、設計者にとっても非常に役に立ちます。
 
 
この写真は工場で分割して制作されたPC床版です。現場に運び、何枚もつなげて完成します。 この床版はこれから新しく造られる高速道路に使用するようです。飛び出した赤いものはさびないように防食加工された鉄筋です。床版は橋梁の車が通行する舗装の下に設置されています。主に自動車荷重を支える役割があり、その下にある主桁に荷重を伝達します。

 
完成したプレキャストL型擁壁です見たまんまの名前ですね。でもこの形が優れものなのです。
L型擁壁は背面に載せた土の重量と自分の重さを使って、コンパクトな形状で擁壁の安定を確保できる形なのです。
上の方が膨らんでいるのは、防護柵を立てるためのポケットのようです。
 

 
PCスラブ桁のコンクリート打設前の様子ですPCスラブ桁は橋の主要な部材です。橋を下からのぞくと見ることができます。
写真は約20mの桁長でピアノ線が張られ鉄筋が組まれている状態です桁の中はこんなに複雑になっていました。
ちなみに、PCはプレストレストコンクリートのことです。コンクリートの中にピアノ線を埋め込み、コンクリートをギュッと締め付けています。
 
私たちが普段通っている道路や橋には、コンクリート製品が数多く使われています。今まで紹介したもの以外にも、側溝や縁石、トンネルの壁などがあります。こういった製品によって私たちの生活が安全に送られているのだと実感しました。

 
原稿作成:計画設計部、編集:広報委員会
 
  

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