2022/07/15

3次元計測で歴史を「見える化」!

 

皆さんは発掘調査の現場を目にされたことはあるでしょうか?
通常、発掘現場はバリケード等で囲まれ、なかなかその様子はお目にかかれないことが多いですが、今回は某業務において実施した、「遺構」の高密度3次元計測によるデータ化についてお話したいと思います。

「遺構」とは現代に残る歴史的な建築物、大昔の都市や建造物の形状・構造を知る手がかりとなる残存物のことをいい、住居跡、倉庫跡、水田跡など様々です。下記写真の左下部にある大きな曲形のくぼみは弥生時代に流れていた「河」だそうです。
通常、発掘調査が完了すると間もなく現状復旧(埋戻し)され、また従来の測量手法では2次元的な表現しかできなかったため、遺構における立体的な規模の把握とデータの承継が難しいとされていました。



しかしながら、測量技術の進歩により、地上型レーザースキャナーを使用した3次元計測を行うことで、こういった大昔の生活の「痕跡」を明確に捉え、データ化(点群化)することが可能となり、mm単位の精密かつ3次元的なデータを残せるようになりました。

下記の写真は、同じ地区を2次元と3次元で比較したものですが、平面図では遺構の形状を俯瞰的にしか表現できないことに対して、3次元点群データでは小さな溝の形状とその深さに至るまで明瞭に表現できています。


3次元データの普及により、現在では都市規模の3Dデジタルマップに建築物や道路などのモデルを重ねることで、近未来の「まちづくり構想」にも役立てられています。

皆さんが暮らす街の「過去」、「現在」、「未来」の移り変わりを1つのデータで表現できる、そんな時代がやってくるかもしれないですね!







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