■被害の拡大を防ぐために
緑豊かな自然が広がる紀伊半島では、台風のたびにさまざまな災害が発生しています。なかでも記憶に新しいのが、2011年8月に発生した「紀伊半島大水害」です。この災害では山の斜面が大規模に崩れ、土砂が河道を塞ぐ“河道閉塞”と呼ばれる現象が各地で発生しました。
このような状況は下流域にも大きな被害をもたらす可能性があるため、早急な調査と対応が求められました。
■いままでは人が歩いて調査していた!?
従来、災害現場では調査員が徒歩で現地調査を行っていました。しかし、崩壊地には二次災害の危険が伴い、近づくことができないケースも多くあります。
そのため、代替手段としてヘリコプターを使い、上空からレーザーを照射して地形を計測する方法が用いられてきました。
ただし、ヘリコプターは揺れや風の影響を受けやすく、測定データに誤差が生じるリスクもあります。そこで注目されたのが「無人航空機=UAV(ドローン)」です。今回は、そのUAVにカメラを搭載して調査を行う訓練が実施されました。
■UAV(ドローン)は第一線になりつつある
UAVの離着陸地点は、崩壊地から少し離れた安全な場所に設定します。
離陸後は、事前に設定されたルートに沿って、自動で航行・撮影を行いその映像は、衛星回線を介して国土交通省の事務所へリアルタイムで送信されます。
この訓練では、「人が直接崩壊地に赴くことなく、現地の状況を把握できる」という目的において、UAVの有効性が確認できたといえます。
当日は、奈良テレビ放送による取材も行われました。
これをきっかけに、より多くの方にUAVの存在やその活用方法を知っていただければと思います。
従来の調査手法と比べ、UAVを活用することで「安全性の向上」に加え、「迅速」「正確」「省人化」といった多くの利点が期待できます。
UAVによる計測や調査の技術は、今まさに急速に進化しており、シードコンサルタントでもその技術を活用し、普段の測量業務に取り入れています。私自身も学ぶべきことが多く、日々の情報収集を欠かさず取り組んでいます。
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